ANZACビスケットとは?歴史・名前の由来・オーストラリアでの食べられ方
オーストラリアのベーカリーやスーパーマーケットで見かける、オーツ麦とゴールデンシロップを使った素朴な焼き菓子がANZACビスケット(Anzac Biscuit)です。
表面はこんがりとした黄金色。ロールドオーツの香ばしさ、バターとゴールデンシロップの甘さ、乾燥ココナッツの風味が特徴で、店や家庭のレシピによってカリカリに焼いたタイプと、中央に少し柔らかさを残したタイプがあります。
オーストラリアでは一年中購入できますが、特に4月25日のANZAC Day(アンザック・デー)が近づくと、スーパー、ベーカリー、学校、地域の行事などで目にする機会が増えます。
名前の「ANZAC」は、第一次世界大戦中に編成されたAustralian and New Zealand Army Corps(オーストラリア・ニュージーランド軍団)の頭文字です。
そのためANZACビスケットは、単なるお菓子の商品名ではなく、オーストラリアとニュージーランドの戦争史、追悼行事、家庭の食文化と深く結び付いています。
一方で、「第一次世界大戦中、兵士の妻や母親が現在と全く同じANZACビスケットを戦地へ送っていた」「ガリポリの兵士が食べていた軍用ビスケットが、そのまま現在のANZACビスケットになった」といった説明は、歴史的には少し単純化されています。
オーストラリア戦争記念館(Australian War Memorial)によると、兵士へ支給されたAnzac Wafer、Anzac Tileと呼ばれる非常に硬い軍用ビスケットと、現在食べられている甘いANZACビスケットは別の食品です。
この記事では、日本からオーストラリアを訪れる旅行者向けに、ANZACビスケットとはどんなお菓子なのか、名前の意味、第一次世界大戦との関係、レシピの変化、ANZAC Dayとのつながり、現在の食べられ方まで詳しく紹介します。
- ANZACビスケットとは?
- どんな味?
- カリカリ派?しっとり派?
- 基本の材料
- ロールドオーツ
- ゴールデンシロップ
- 乾燥ココナッツ
- 伝統的なレシピには卵を使わない
- ANZACとは?
- ANZAC Dayとは?
- ガリポリとの関係
- 軍用のAnzac Tileとは別物
- 兵士へ送られた慰問小包
- 「兵士のために発明された」は本当?
- 初期のANZACビスケット
- 1916年にもANZAC名のビスケットが存在
- 1917年のレシピは現在と全く違う
- 現在型に近いレシピは1920年
- 1926年のレシピ
- ココナッツは後から定着
- なぜ卵なしが定番になった?
- 現在の基本レシピ
- 焼き方で食感が変わる
- 現在のオーストラリアでの食べられ方
- 4月になると特に増える
- 学校・地域活動
- 募金活動にも使われる
- スーパーで買う
- ベーカリーで買う
- コーヒー・紅茶と楽しむ
- 「ANZAC」という名前は保護されている
- 商業販売にはルールがある
- Anzac CookieではなくAnzac Biscuit?
- グルテンフリー・ヴィーガン版は?
- 日本へのお土産には?
- ANZACビスケットで使う英語
- 旅行者向けの楽しみ方
- よくある質問(FAQ)
ANZACビスケットとは?


現在一般的にANZACビスケットと呼ばれるのは、ロールドオーツ、小麦粉、砂糖、バター、ゴールデンシロップなどを使って焼いた甘いビスケットです。
現在よく知られているレシピでは、乾燥ココナッツも加えます。
チョコチップクッキーのように具材をたっぷり入れたお菓子ではなく、オーツ麦とココナッツ、バター、ゴールデンシロップの香ばしさを生かした、比較的素朴な焼き菓子です。
どんな味?
ANZACビスケットの味の中心になるのは、
- オーツ麦の香ばしさ
- バターのコク
- ゴールデンシロップの甘さ
- ココナッツの風味
です。
チョコレートやクリームを使った甘いビスケットに比べると素朴ですが、ゴールデンシロップ独特のカラメルを思わせる風味があります。
コーヒーや紅茶にもよく合います。
カリカリ派?しっとり派?
ANZACビスケットは、カリカリに焼くか、中央に少し柔らかさを残すかで好みが分かれます。
薄く広げて長めに焼くと、全体がカリッとした仕上がりになりやすくなります。
少し厚めに成形して焼き時間を短めにすると、中央にやや柔らかさの残った食感になります。
オーストラリア戦争記念館でも、ANZACビスケットについて「カリカリか柔らかめか」という好みが長年語られてきたことを紹介しています。
基本の材料
現在の一般的なANZACビスケットには、
- ロールドオーツ
- 小麦粉
- 砂糖
- 乾燥ココナッツ
- バター
- ゴールデンシロップ
- 重曹
- 熱湯
などを使います。
比較的手に入りやすい材料が中心で、家庭でも作りやすいお菓子です。
ロールドオーツ
現在のANZACビスケットを特徴付ける重要な材料がロールドオーツです。
オーツ麦を蒸して平らに押しつぶしたもので、オートミールやミューズリーにも使われます。
細かく加工されたクイックオーツより、粒の形がある程度残ったロールドオーツを使うレシピが一般的です。
ゴールデンシロップ
ゴールデンシロップ(Golden Syrup)は、オーストラリアやイギリス系の菓子作りでよく使われる、濃い黄金色のシロップです。
はちみつとは異なり、砂糖の精製過程から作られるシロップで、カラメルに似た濃厚な甘さがあります。
ANZACビスケットでは味を付けるだけでなく、生地をまとめる役割も果たします。
オーストラリアのスーパーでは、製菓材料売場などで購入できます。
乾燥ココナッツ
現在よく知られているANZACビスケットには細かく乾燥させたココナッツを使います。
香りと食感を加える大切な材料です。
ただし、初期のANZACビスケットのレシピすべてにココナッツが使われていたわけではありません。
オーストラリア戦争記念館が紹介している1926年のレシピにはココナッツが使われておらず、1933年のニュー・サウス・ウェールズ州カントリー・ウィメンズ・アソシエーションのレシピ集には、ココナッツ入りとココナッツなしの両方が掲載されています。
伝統的なレシピには卵を使わない
現在の伝統的なANZACビスケットの大きな特徴が、卵を使わないことです。
バター、ゴールデンシロップ、重曹、熱湯などを合わせて生地をまとめます。
ただし、歴史上「ANZAC Biscuit」と呼ばれた初期のレシピの中には卵を使ったものもあります。
つまり、「ANZACビスケットは誕生した時からすべて卵なしだった」というわけではありません。
ANZACとは?
ANZACは、
Australian and New Zealand Army Corps
の頭文字です。
日本語では「オーストラリア・ニュージーランド軍団」と訳され、第一次世界大戦中に編成されました。
現在ではANZACという言葉は、単なる軍団名を超え、オーストラリアとニュージーランドにおける戦争の歴史、従軍、犠牲、追悼と強く結び付いています。
ANZAC Dayとは?
ANZAC Dayは毎年4月25日です。
1915年4月25日にオーストラリアとニュージーランドの部隊が、現在のトルコにあるガリポリ半島(Gallipoli Peninsula)へ上陸した日に由来します。
現在ではガリポリで戦った兵士だけでなく、その後の戦争、紛争、平和維持活動などに従事した人々を記憶し、追悼する日となっています。
オーストラリア各地で夜明けの追悼式、行進、記念式典などが行われます。
ガリポリとの関係
ANZACという名称とガリポリの戦いには、非常に強い関係があります。
そのためANZACビスケットについても、「ガリポリの兵士が現在のANZACビスケットを食べていた」と説明されることがあります。
しかし歴史を正確に理解するには、兵士へ支給された軍用ビスケットと、現在の甘いANZACビスケットを区別する必要があります。
軍用のAnzac Tileとは別物
ガリポリなどの兵士へ支給されていたものの一つが、Hardtack(ハードタック)と呼ばれる非常に硬い保存用ビスケットです。
パンの代わりとして長期間保存できるよう作られたもので、現在のような甘いオーツ麦のビスケットではありません。
オーストラリア戦争記念館では、こうした軍用ビスケットが、
- Anzac Wafer
- Anzac Tile
とも呼ばれていたと説明しています。
非常に硬かったため、水に浸したり、細かく砕いて粥のようにして食べたりする兵士もいました。
現在スーパーやベーカリーで販売されているANZACビスケットとは、材料も目的も異なります。
兵士へ送られた慰問小包
第一次世界大戦中、オーストラリアの家庭や慈善団体から、海外にいる兵士へ食料や日用品を入れた慰問小包が送られました。
オーストラリア退役軍人省のAnzac Portalでは、ロールドオーツ、ゴールデンシロップ、小麦粉などを使った保存性のあるビスケットが、こうした小包に入れられたと説明しています。
こうした家庭で作られた保存性の高いビスケットが、後に現在のANZACビスケットと結び付いていったと考えられています。
「兵士のために発明された」は本当?
ANZACビスケットについては、
「卵は長距離輸送に向かないため、女性たちが卵を使わないビスケットを考案して兵士へ送った」
という話がよく紹介されます。
分かりやすい物語ですが、現在食べられているANZACビスケットの正確な起源は完全には分かっていません。
オーストラリア戦争記念館も、甘いANZACビスケットの発明や起源には議論があり、現在の形が第一次世界大戦中に全国的に確立していたわけではないとしています。
似た材料のビスケットが兵士へ送られたことはありましたが、「現在と同じANZACビスケットがガリポリの兵士へ送るために発明された」と断定するのは避けた方がよいでしょう。
初期のANZACビスケット
興味深いのは、1910年代から1920年代にかけて「ANZAC Biscuit」という名称が、現在とは異なる複数のレシピに使われていたことです。
現在ではオーツ麦とゴールデンシロップを使った丸いビスケットを思い浮かべますが、初期にはジャム、卵、香辛料などを使うレシピもありました。
1916年にもANZAC名のビスケットが存在
オーストラリア戦争記念館の調査では、1916年6月4日に西オーストラリア州の新聞「Sunday Times」へANZAC Ginger Biscuitというレシピが掲載されています。
現在のANZACビスケットとは異なりますが、第一次世界大戦中からすでに「ANZAC」という名称を付けたビスケットが存在していたことが分かります。
1917年のレシピは現在と全く違う
1917年の料理本「The War Chest Cookery Book」にも「Anzac Biscuits」というレシピがあります。
しかし材料には、
- バター
- 砂糖
- 卵
- シナモン
- 小麦粉
- 米粉
- 数種類の香辛料
などを使い、冷めたビスケットをジャムで合わせ、表面に糖衣までかけるものでした。
現在のオーツ麦とゴールデンシロップを使うANZACビスケットとは全く違います。
現在の形が一度に生まれたのではなく、時間をかけて定着していったことが分かります。
現在型に近いレシピは1920年
オーストラリア戦争記念館が新聞資料を調査したところ、現在のANZACビスケットに近い初期のレシピとして確認されているものの一つが、1920年9月15日のメルボルン「The Argus」に掲載された「Anzac Biscuit or Crispies」です。
材料は、
- オーツ麦
- 小麦粉
- 砂糖
- バター
- ゴールデンシロップ
- 重曹
- 熱湯
で、現在のANZACビスケットにかなり近い内容です。
ただし、このレシピにはココナッツは使われていません。
1926年のレシピ
オーストラリア戦争記念館が紹介している1926年8月14日の「The Capricornian」に掲載されたレシピも、
- ロールドオーツ
- 砂糖
- 小麦粉
- バター
- ゴールデンシロップ
- 熱湯
- 重曹
という、現在に近い内容です。
こちらにもココナッツは入っていません。
ココナッツは後から定着
現在は「ANZACビスケットにはココナッツ」という印象がありますが、初期のレシピでは必須ではありませんでした。
オーストラリア戦争記念館によると、1933年のニュー・サウス・ウェールズ州カントリー・ウィメンズ・アソシエーションのレシピ集には、ココナッツなしとココナッツ入りの両方のANZACビスケットが掲載されています。
つまり現在の形は一度に完成したのではなく、1920年代から1930年代にかけて変化しながら定着していったと考えられます。
なぜ卵なしが定番になった?
現在の一般的なANZACビスケットでは卵を使わず、ゴールデンシロップ、バター、重曹などで生地をまとめます。
保存しやすく、材料も比較的単純です。
ただし、「卵を使わないのは戦地へ送るためだけに考案されたから」と断定できる歴史資料が十分にあるわけではありません。
現在では卵を使わないこと自体が、伝統的なANZACビスケットの特徴となっています。
現在の基本レシピ
オーストラリア退役軍人省のAnzac Portalで紹介されている現在のレシピでは、
- バターまたはマーガリン
- ゴールデンシロップ
- 重曹
- 熱湯
- ロールドオーツ
- 乾燥ココナッツ
- ブラウンシュガー
- 小麦粉
を使用します。
材料を混ぜて丸く成形し、薄い茶色になるまで焼くという比較的シンプルなお菓子です。
焼き方で食感が変わる
ANZACビスケットは、焼き時間や生地の厚さによって仕上がりが大きく変わります。
薄くしてしっかり焼けばカリカリに。
少し厚めにして焼き時間を抑えれば、中央に少し柔らかさを残した食感になります。
焼き上がった直後は柔らかくても、冷ますと硬くなるため、焼き過ぎには注意が必要です。
現在のオーストラリアでの食べられ方
現在のANZACビスケットは戦時中の保存食ではなく、家庭で親しまれる伝統的な甘いビスケットです。
午前や午後のお茶の時間、子供のおやつなどとして食べられます。
特別な材料を必要としないため、家庭で子供と一緒に作るお菓子としても親しまれています。
4月になると特に増える
一年中販売されていますが、ANZAC Dayが近づく4月になると、店頭で特に目立つようになります。
スーパーのベーカリー売場、袋入りビスケット売場、地元のベーカリー、カフェなどで販売されます。
学校や地域団体で作る機会も増えます。
学校・地域活動
オーストラリア退役軍人省では、ANZACビスケット作りを、子供たちがANZAC Dayや追悼の意味について学ぶ活動の一つとして紹介しています。
単に昔のお菓子を再現するだけでなく、オーストラリアの歴史について話すきっかけにもなっています。
募金活動にも使われる
学校、地域団体、慈善団体などがANZACビスケットを焼いて販売し、募金活動に利用することもあります。
ただし、「ANZAC」という名称はオーストラリアで法的に保護されているため、商業販売や宣伝などで使用する場合にはルールがあります。
スーパーで買う
旅行者が最も簡単にANZACビスケットを試せるのは、
- ウールワース
- コールズ
- IGA
などのスーパーマーケットです。
袋入りのビスケット売場だけでなく、店内のベーカリーで焼いたANZACビスケットを販売している場合もあります。
特に4月は見つけやすくなります。
ベーカリーで買う
地元のベーカリーでもANZACビスケットをよく見かけます。
スーパーの商品より大きく厚いものや、店独自にカリカリ、あるいは少し柔らかめに仕上げたものもあります。
地方を車で旅行している時に町のベーカリーで見つけたら、ミートパイなどと一緒に一枚買ってみるのもおすすめです。
コーヒー・紅茶と楽しむ
ANZACビスケットは、
- フラットホワイト
- ロングブラック
- 紅茶
- 牛乳
などとよく合います。
カリカリに焼かれたものなら、コーヒーや紅茶へ少し浸して食べるのも楽しみ方の一つです。
「ANZAC」という名前は保護されている
旅行者にはあまり知られていませんが、「Anzac」という言葉はオーストラリアで法的に保護されています。
「Protection of Word "Anzac" Regulations」は1921年から存在し、現在は退役軍人省が運用を担当しています。
商品名、会社名、宣伝などで「Anzac」という言葉を使用する場合、用途によっては許可が必要です。
商業販売にはルールがある
オーストラリア退役軍人省の案内では、ANZACビスケットを商業的に販売する場合、「Anzac」という名称を使用するための許可が必要とされています。
また、商業販売するANZACビスケットについては、一般的に認められているレシピや丸い形から大きく外れないことなども、許可を判断する際の基準になっています。
旅行者がスーパーで購入したり、自宅で作って食べたりする際に気にする必要はありませんが、ANZACという言葉がオーストラリア社会で特別に扱われていることが分かります。
Anzac CookieではなくAnzac Biscuit?
オーストラリア英語では、アメリカ英語のCookieよりBiscuitという言葉が一般的です。
このお菓子の伝統的な名称もAnzac Biscuitです。
旅行中に店で探すなら、
Do you have Anzac biscuits?
と聞くのが自然です。
グルテンフリー・ヴィーガン版は?
現在では食事制限に合わせて、
- グルテンを含まない小麦粉の代替品
- 植物性マーガリン
- 動物性原料を使わない材料
などで作ったANZACビスケットもあります。
オーストラリア退役軍人省の指針でも、グルテンフリーやヴィーガンなど特定の食事条件に対応するための材料変更については、商業販売の許可審査で一定の配慮がされています。
ただし、食物アレルギーやセリアック病がある場合は、商品の表示や製造環境を個別に確認してください。
日本へのお土産には?
ANZACビスケットは、日本へのお土産にも比較的向いています。
理由は、
- チョコレートのように溶けにくい
- 生クリームを使わない
- 比較的日持ちする
- オーストラリアらしい歴史がある
- コーヒーや紅茶と合わせやすい
ためです。
ただしカリカリに焼かれたビスケットは割れやすいので、スーツケースへ入れる際は箱を衣類などで保護するとよいでしょう。
お土産として渡す際には、「ガリポリの兵士がそのまま食べていたビスケット」と説明するのではなく、ANZACの歴史と結び付きながら現在の形へ発展した、オーストラリアの伝統的なビスケットと説明する方が正確です。
ANZACビスケットで使う英語
| 英語 | 意味 |
|---|---|
| Anzac Biscuit | ANZACビスケット |
| Rolled Oats | ロールドオーツ |
| Golden Syrup | ゴールデンシロップ |
| Desiccated Coconut | 細かく乾燥させたココナッツ |
| Bicarbonate of Soda | 重曹 |
| Crunchy | カリカリした |
| Chewy | 少し柔らかく、噛み応えのある |
| Hardtack | 非常に硬い保存用の軍用ビスケット・堅パン |
| Care Parcel | 兵士などへ送る慰問小包 |
| Commemoration | 追悼・記念 |
| Do you have Anzac biscuits? | ANZACビスケットはありますか? |
| Are these crunchy or chewy? | これはカリカリですか、それとも柔らかめですか? |
| Are these made in-house? | これは店内で作っていますか? |
旅行者向けの楽しみ方
- まずは伝統的なオーツ麦とゴールデンシロップのタイプを試す
- カリカリと柔らかめを食べ比べる
- 4月ならスーパーやベーカリーのANZAC Day関連商品を確認する
- 地方のベーカリーで手作りのANZACビスケットを探す
- コーヒーや紅茶と一緒に食べる
- 兵士へ支給された軍用ビスケットとは別物だと覚えておく
- 現在のレシピがそのままガリポリで食べられていたわけではない
- 初期には卵やジャムを使った別タイプのレシピも存在した
- 「ANZAC」という名称が法的に保護されていることも知っておく
- 日本へのお土産なら割れないように包装する
ANZACビスケットは、一見すると素朴なオーツ麦のビスケットです。
しかしその背景を知ると、第一次世界大戦、家庭から兵士へ送られた慰問小包、ANZAC Day、地域社会での追悼行事など、オーストラリアの歴史と文化が深く関係していることが分かります。
同時に、後世に広まった分かりやすい「誕生物語」と、実際に確認されている歴史資料には違いがあります。
ガリポリの兵士へ支給された非常に硬い軍用ビスケットと、現在の甘いANZACビスケットは別物です。そして現在に近い、オーツ麦とゴールデンシロップを使ったレシピが確認されるのは1920年代に入ってからです。
旅行中にANZACビスケットを食べる機会があれば、単なるオーストラリアのお菓子としてだけでなく、100年以上の歴史の中で形を変えながら受け継がれてきた食文化として味わってみてください。
ANZACビスケットに関するよくある質問(FAQ)
ロールドオーツ、小麦粉、砂糖、バター、ゴールデンシロップなどを使ったオーストラリアの伝統的な甘いビスケットです。現在は乾燥ココナッツを加えるレシピも一般的です。
Australian and New Zealand Army Corpsの略で、日本語ではオーストラリア・ニュージーランド軍団です。第一次世界大戦中に編成されました。
現在の甘いANZACビスケットと、兵士へ支給されていた非常に硬い軍用ビスケットは別物です。軍用のものはAnzac Wafer、Anzac Tileなどとも呼ばれていました。
ANZACという名称のビスケットは第一次世界大戦中から存在しましたが、現在のオーツ麦、ゴールデンシロップ、卵なしという形に近いレシピが確認されるのは1920年頃からです。正確な起源は確定していません。
現在の伝統的なANZACビスケットでは通常、卵を使いません。ただし1910年代の「Anzac Biscuit」と呼ばれた初期のレシピには、卵を使った全く異なるものもありました。
現在は乾燥ココナッツ入りが一般的ですが、1920年や1926年の初期レシピにはココナッツが入っていないものがあります。後に現在の形へ定着していきました。
一年中食べられますが、特に4月25日のANZAC Dayが近づくと、スーパー、ベーカリー、学校、地域の行事などで見かける機会が増えます。
はい。「Anzac」という言葉はオーストラリアで法的に保護されています。商品名や宣伝など商業的な用途では、退役軍人省の許可が必要になる場合があります。
比較的向いています。生クリームを使わず、チョコレートのように溶けにくく、比較的日持ちします。ただし割れやすいため、スーツケースでは箱を衣類などで保護するとよいでしょう。
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